昨日は日本ジャック=
ダルクローズ協会の年に一度の総会とフォーラムでした。
事務局長をお引き受けしている頃は、
決算や次年度予算など本当に生きている心地のしない一日でしたが
、
お陰様で今はストレスなく穏やかな気持ちで参加できる様になりま
した。
何時も総会の後はフォーラムがあり、
会員が色々な角度から勉強できる様な時間を設けてあります。 今回は新進気鋭のダンサーの坂田守さんの身体表現のワークショッ
プでした。
坂田さんは呼吸と合致した動きについて色々な角度からアプローチ
してくださいました。
ダンサーだけでなく振付師としてもご活躍の坂田さん、
バレリーナや子供達にも動きの形だけでなく動きの質をどう伝えて
いくかを追求なさっているようです。呼吸、言葉、
そこに音楽をからめて興味深く動きの質の変化を体験させて下さい
ました。
最初は動きと呼吸を一致させる簡単な動きにキリン、チーター、
フラミンゴなどの動物のイメージを重ね、
イメージしないで動いた時との違いを体験。
キリンのすーっと伸びた首やおっとりとした様子をイメージすると
動きも何かしら穏やかに遠くを見回すような様になります。
獲物を狙うチーターをイメージすると床に着く手も音がしない様に
手首から指先へとしなる様に着くようになります。
フラミンゴの動きはは片足を上げて抱えバランス。
片足を抱えバランスをとることに懸命になっている我々にフラミン
ゴは片足で立っても肩に力は入らないですねと坂田さんの一言に、
みんな苦笑しながら肩にも意識が通り、
僅かながらも肩の力が抜けました。
現時点ですぐにできなくても、意識するとことが大切なのは、
正にダルクローズが目指した意識する事の大切さそのものです。
後半は四つの動詞「押す」「掬う」「切る」「撫でる」
をただ動くだけでなく、
言葉として唱えながら動く事で動きの質が変わる体験です。
まず動きを動作として覚え、次にことばを唱える練習をします。
それぞれ言葉をただ口にするのではなく、
言葉のイメージをはっきりと表現するように何回も表現する事を意
識して唱えます。
坂田さんははっきりとイメージして唱えないと言葉として十分に表
現されない、
また言葉としてはっきり表現したものを唱えながら動くことで初め
て動きの質が変わって来るとおっしゃいます。
同様な経験は私自身ピアノのレッスンやお茶のお稽古で沢山してき
ました。
井口愛子先生はレッスンの時に愛子先生独特の口回しで曲を歌って
下さいました。
それを覚えて帰り家で先生の口真似をしながら何回も繰り返しさら
うことで、段々その部分の意味が深く身体に入り、
その後音にその意味が現れてくるのです。
お茶の点前ではそれぞれの動作を習うときによく先生が「す~~
う」とか「ぎり~っ」などと音を着けて教えて下さいます。
それを同じ様に唱えながら動くことで早さや質が整うのです。
人に表現する事を伝え、表現出来る様にする為に、
言葉やその意味、
イメージの深さそして呼吸がどれ程大きな影響を与えるのか、
あらためて考えさせられました。本当に良い機会を得ました。
また今日のレッスンから、早速活かしていきたいものです。
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