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    「突然に・・・」



    6月30日、主人と7時過ぎに帰宅すると、家の前に救急車がいました。
    中では救急隊の方がドラマさながらに心臓マッサージをしています

    何が何だかわからず、「どうしたんですか?」と伺うと「心肺停止です」との事。誰が?思った瞬間母が家から出て来ました。えっ!父?

    朝出かける時にはトイレに起きた父と言葉を交わしましたが、いつもの通りでした。何故?
    「今から杏林大学病院に搬送します。ご家族は後からおいで下さい。」慌てて母を救急車に同乗させて頂き、私達は車で後から追いかけました。病院に着いて母と合流し、いったい何があったのかたずねました。

    朝9時頃起きて来た父は、いつもの朝ご飯をペロリと平らげ、いつものようにソファーに座っていたそうですが、少し気持ち悪いから寝ると言ってベッドに入ったそうです。眠い時などによく調子が悪いから寝ると言ってベッドに入る事もあったのでいつもの事と思っていたようです。
    それでも母が具合を尋ねると少し胸が痛いというので胸をさすってあげると気持ちいいと喜んでいたそうです。

    吐き気がすると言って、午前中2度ほど嘔吐したそうですが、午後になると大分楽になったと起きて、ベランダのガラス戸を開けて外を眺めたりしていたそうです。

    夕方5時頃になり、「お昼を召し上らなかったからお腹空いたでしょう。夕ご飯はどうなさいますか?」と聞くと、「お腹がすいたから食べる」との答えに、母は柔らかめにおうどんを用意したそうです。

    6時頃になり、支度が出来ましたと呼ぶと今はいらないと言うので、母だけ先に食べ再度たずねても今はいいと言うので、じゃあ血圧だけ計っておきましょうと言って血圧を計ったそうです

    父が腕を動かし、上手く計れなかったので、「動くから上手く計れないじゃないですか」ともう一度血圧計を腕に巻き直し計ったそうですが、今度はいやに静かで動かず、ふと顔を見ると何かがいつもと違う、息をしていない気がして、119に電話をしたというのです。

    救急車が来て、処置をしながら病院に出発する所へ私達が帰宅したとのことでした
    話を聞いても何故心肺停止になるのかわからないまま、一時間近く待ちました。

    やっと先生がいらしてお話し下さったのは、色々蘇生を試みましたが、一度も戻る事がありません。これ以上やると肋骨を折ってしまい、かえって傷つけてしまうので、処置を止めましたとの事でした。

    余りに突然で実感もないまま、先生方が「力が足りず」と深々と長い間頭を下げて下さっているのを、不思議な気持ちで眺めていました。

     家で心肺停止になると不審死扱いになるそうで、その後は警察の方がいらっしゃり遺体は事件事故の可能性が無いとわかるまでは警察預かりとなりました。警察の方がいらっしゃるまでは家の中を触らないようにとの指示を受けて、私達は先に家に帰りました。

    遺体を警察に安置してから刑事さんが家にいらっしゃり、家の中の写真を撮ったり、当日の母や私達の行動、普段の生活など夜中の2時過ぎまで聴取が続きました。

    明け方からも何回か不明点の問い合わせのお電話に答え、10時過ぎにやっと事件事故の可能性は無いと判断されましたとの連絡を頂き、それから警察の監察医が検死をして死亡診断書を書いてから、午後になってやっと遺体を返して頂きました。

    取り敢えず葬祭場の安置室に預かって頂き、7月5日の水曜日に家族で見送り火葬することになりました。

    娘夫婦達と5人の孫(父にとってはひ孫ですが)私の従姉妹達に見守られ、沢山のお花と孫達からのお手紙やプレゼントに囲まれて旅立って行きました。

    まだまだ10年位は元気でいるのではと覚悟をしていた矢先に、余りに突然の旅立ちで、中々実感が湧きませんが、残された母が少しでも早く立ち直り、自分の時間を楽しめるようになるようサポートしなくてはと思っています。




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