12月に指揮の野口先生から、「大学院生でリズムの取れない子がいるんだけど何とかならないかな?」と相談を受けました。大学院生で、リズムが取れない??訳がわからず良くお話しを伺うと、マレーシアからの留学生で大学院の作曲に在籍している学生で、指揮のレッスンをしたところ、テンポも一定には保てず、当然リズムも取れないとのことです。一度レッスンを見せて頂かないと何もお話しできないので、レッスンを見せて頂くことにしました。
早速次のレッスンに伺うと、2台の指揮伴ピアニストの前で一生懸命指揮棒を振っているのですが、見た瞬間に身体が固く、特に上腕と指揮棒を握る親指がとても固いのが見て取れました。腕の中でも特に上腕は力が入ると身体全体の自由が利かなくなります。親指に力が入ると指全体の自由が利かなくなります。指や身体がコントロールできないと、当然自分で感じた事を身体に伝えられず「表現」して人に伝える事はできません。
「リトミックで何とかならないかな」とのご相談を受け、来年度の「リトミック」の授業の聴講をしてもらう、それまでは時間が合わせられるときに(昼休みなど)少しずつ一緒に過ごし、何が原因か何をしたらよいか等をチェックすることにしました。
ピアノに合わせてビートをたたいてもらうと、ちゃんと一緒にたたけます。途中でピアノをなくしてもビートのキープはできています。今度は2分割をたたいてもらいました。初めから2分割をたたいてもらうとちゃんとできましたので、次に合図でビートと2分割をたたきわけてもらいました。すると少し不安な要素が感じられました。
3分割をたたくと、始め等分にはたたけず、何回かしてから3分割になりました。この後合図でビート・2分割・3分割のたたきわけにすると、もう全てが乱れてきてしまいました。
結局彼女は「切り替え」が苦手だということがわかりました。何かを「切り替え」ようとすると、身体に力が入り、自由が利かなくなり、テンポやリズムに悪影響を及ぼしているのです。今後「切り替え」にポイントを置いてトレーニングをしていく方針としました。
考えてみれば、音楽は「切り替え」の連続ですね。音符の長さ、音の強さ、拍子も変わり、拍の分割も切り替えなくてはならない。調性も変わり、エスプレッションも変わり、あらゆることを「切り替え」ながら流れて行くのだと改めて知りました。「切り替える力」を付ける事が、音楽を学ぶときに大切だと気付かされました。ダルクローズは「切り替える力」を付けるトレーニングをしていたのですね。
改めて、納得!! 野口先生、留学生を紹介してくださってありがとうございます!!
また、ダルクローズの理解が深まりました・・・感謝!
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