Kちゃんは年中さん、まん丸お顔の小さな男の子です。
とても小さいのにいつもにこにこ、「おれは男だ!男は強いんだぞ!」なんて大えばりしています。
Kちゃんはまだスキップができません。レッスン中にスキップが始まると、とたんにフリーズして動かなくなり、スキップが終わるまで身体を固くしています。先週のレッスンの時、一人お休みで、2人だけのレッスンでしたので、チャンス!と思い、Kちゃんのスキップの練習を少し入れてみました。
まずKちゃんに「ケンケンできる?」と尋ねてみました。するといつものにこにこ顔でケンケンをして見せてくれました。
「そんなに長くケンケンしなくても良いのよ。ケンケンて2回飛んだら次は反対の足でケンケンて2回、2回ずつで足を取換えながらケンケンしてみよう!!」
Kちゃんの手を持って右足ケンケン、左足ケンケン・・・。
「さあ、これでKちゃんのスキップの準備はできました。」と宣言してから、もう一度、スキップ用の即興を始めると、完全な形ではありませんが、Kちゃんが嬉しそうにスキップを始めました。いつもの何倍もの笑顔ではねています。
このスキップの練習法は、盲目の辻井伸行君達に付属高校のリトミックの授業でスキップを体験させるときに考え出したものです。スキップを見たことのない伸行君達に、言葉でスキップの動きを伝えなくてはならず、スキップって一体何をやっているのかしらと分析しました。
まずケンケン(同じ足で2回ジャンプ)それができたら、ケーンケンとリズムを変えるとスキップになります。伸行君達は曲がりなりにもスキップを体験できました。
ダルクローズは体験した事を分析し、物事を根本から捉えます。根本を明確にしきちんと体験し直すことで、積み重ねられ身に付いて行くのです。
Kちゃんスキップできて良かったね。 たくさんスキップの気持ちよさを味わってね。
[3回]
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