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帰りの車に乗ると「家に帰る」を言いっぱなし。「私もお仕事で家にはいられないから、パパ一人だとお家にいられないでしょう?」と言っても「いられる」「ご飯はどうするの?」と言っても「そんなものちゃんと食べられるからいい」と話しになりません。それでも「ママと約束したでしょう」と母との約束を守らなきゃと何とか説得しながらショートステイにつれてかえる日々でした。ショートステイでは毎日自分の荷物をかばんに詰めて私を待っています。
毎日父をショートステイに迎えに行き母を見舞い、また何とか説得しながらショートステイに送り届けてやっと今日の手術の日にこぎつけました。1時から手術なので11時ごろ父を迎えに行き、お昼を食べて12時半ごろ病院へ行きました。手術室に入る前の母にしばらく付き添い、手術室に入っていくのを見送りましたのでさすがに父も手術ということはわかったかなと思いました。
予定では3~4時間と言われていましたので、4時長くても5時には終わるだろうと思っていました。手術の待合室での時間の流れは本当に遅く、重いものです。そんな中でも父は今日自分が家に帰ることばかりを気にし、私の顔を見るたびに「今日私は家に帰る」といいにきます。
「今ママが手術で頑張っているのに、そんなことを話す時ではないでしょ。」と私にいさめられるとまた自分の座っていたところに戻るのですが、ほどなくまた同じことの繰り返し。何回でも言いに来ます。
待合室には他の手術を待っているご家族の方もいらっしゃいますので、大きい声を出すのも申し訳なく、でも大きい声でないと父には聞こえず、おまけに内容が「家に帰る」ですから、本当に参りました。
あたりも暗くなってきた4時半少し前になってやっと呼ばれ、経過の説明をされました。手術で取った内臓を見せられ、先生から説明を受けました。耳の遠い父には先生のお話しの内容はわからないもののさすがに摘出したばかりの内臓を見てただ事ではないと思ったようです。その後「ではこれから処理をしますので」と先生が手術室に戻られ、再び待合室に戻り待つこと1時間半。
1時間ほどすると父が主人に、「いい妻でした」「これからと思っていたのに早すぎます」などと話しかけています。ん?なんか雲行きが怪しい言葉だぞ。
主人も疲れているせいか、父の言うことを訂正もせず、「ええ、ええ」なんて合図を打っています。そのうち私に向かって「ゆんちゃんママのご遺体はどこに有るの?」
あ~やっぱり!!
「冗談じゃありませんよ、ママは手術が終わって今処置をしていただいているんですよ。勝手に殺さないで下さい。」
「いや、時間がかかりすぎる、これはもう駄目だったんだよ」
「そんなこと有りませんから、ちゃんと待っていてください。今お腹を綴じたり最後の処置をしてくださっていますから」
6時半を過ぎてやっとベットに乗せられて母が運ばれてきました。まだ朦朧とはしていますが、一応私達の声かけにも反応しています。
明日になればだいぶはっきりしますからと看護師さんの言葉に安心して病院を出ました。
さすがに今日の帰り道は「家にかえる」と駄々をこねることなく、ママと約束したでしょと言うと「うん」と一応納得、無事にショートステイに送り届けることができました。
本当になが~い一日でした。
毎日のようにショートステイから電話がかかってきます。父が迎えにはいつ来るのかと出ることも有れば、スタッフの方が父を説得するために細かい私の予定を聞いて来られたりします。どうにもできないのに電話が何回もかかってくると、最後には強迫観念に襲われ、2~3日前には電話が来ると手が震えたり、吐き気が止まらなくなったりしました。
母が入院している間、何とかショートステイにいてもらわなくてはなりませんから、ショートステイに行くと私は一生分?と思えるほどスタッフの方達に謝り、頭を下げています。
スタッフの方達と相談して、私が何時に来るか予定がはっきりわかると良いと言うことで(もちろん言ってはいますが、今聞いたことは今忘れてしまいますので)毎日紙に「明日3月○日は○時にお迎えに来ます。ママのお見舞いに出かけます。」と大きく書いて、大きな声で説明をしてからお部屋のテーブルの上においてきます。
母を見舞って病院を出た途端に「ママはどこにいるの?」と聞かれることも度々ありましたので、「ママは入院しています」と最初に書くようになりました。
ショートステイではスタッフさんのお部屋に侵入しベランダに出てしまったり、エレベーターに乗って外に出たくてエレベーターの前に座り込んだり(エレベーターは暗証番号を入れないとあかないようになっています)といろいろなことをしてくれます。
「自分のお部屋以外、他の人のお部屋には入りません」(ショートステイはホテル式で一人一部屋になっています)なども紙に書き込むようになりました。
スタッフさんのお部屋に入った時には、止めるスタッフさんに荒々しい態度をとったとのことで、もし他の利用者の方にそのようなことが有れば、ご利用いただけなくなることも有りますと言われました。
他の方にご迷惑をかければ当然のことですが、自分の父のことでこんなに謝らなくてはならない事態が起きることがにわかに信じられずにいます。
母の入院は予定では3週間、4月2日ごろには退院できる予定です。それまで何とか父がショートステイで落ち着いてくれることを願いながらの毎日です。
昨日今日とaiの春の講習会でした。
今回の大きなテーマはスケールナンバー。以前にも少しお話しをしましたが、調性を理解するうえで、スケールナンバーと音を組み合わせて感じられるようになっていることがとても大きな力になるのです。
スケールナンバーでは、番号によってその音の特徴(働き)がわかります。例えば1番なら主音、5番なら属音、7番なら導音というように。ですから調性の中で音を聴くときに音名だけでなくこのスケールナンバーも一緒に聴けるように(感じられるように)しておけば、その調をしっかりと感じることができるようになるのです。
今回はスケールナンバーを土台として、新しい視点から考える楽典の講座と和声の講座が有りました。楽典の講座では皆さん新しい視点に興味を持って下さったようです。
慣れないうちは億劫な気がしますが、スケールナンバーに慣れてくると、調判定などの楽典の問題もずいぶん楽にできます。但し、ただ解ければよいと言うのではなく、必ず歌ったりして音として感じる事をいれることがとても大切なポイントです。
スケールナンバーの効用を説明していて、受講生の皆さんが「お~」と感嘆の声を上げてくれると私もうれしくて、説明にもさらに熱が入ります。
いつも私は「知識は正しい答えに速くたどり着くために使う道具」と言い切っていますが、スケールナンバーは特にぴかぴかの道具です。本当に役に立ちます。
私達が接している大半は調性の音楽ですから、その調性の音楽を理解するためにスケールナンバーは欠かせないものです。
今回の春の講習会ではスケールナンバー特集で、少しは参加者の皆様にお伝えできたかなと思います。でもご参加いただけなかったメンバーの皆様にも、なるべく早い時期にもっと詳しくスケールナンバーについてお伝えするチャンスを作りたいと願っています。
どうぞお楽しみに!!
母が入院依頼、父が落ち着くようにと父を連れて母の病院を訪ねるのが日課になっていました。
母は私の身体を案じ、そんなに毎日来なくていいのよと言ってくれますが、こっちにはこっちの父の事情というのが有りますから、毎日毎日父を連れて病院に通っていました。
しかし、26日27日とaiの春の講習会でしたから、始めて父を母の所へ連れて行くことができない日になりました。事情をお話しし、ショートステイの方でも不安を感じつつも理解を示してくださっていました。
昨日aiの講習も終わろうとしているときにショートステイから電話が有りました。
「誠に申し上げにくいことですが、今日もお父様にはスタッフに対して暴行に近い行動が見られ、これ以上のご利用は無理かと思います。」
絶句する私に「ご事情は伺っていますし、こちらがお父様に対して対応できないのは本当に申し訳なく思っておりますので、今日急にすぐというわけにもいかないでしょうから明日でいかがでしょうか?」
真っ白になる頭を必死で働かせ、月曜日は夜7時半過ぎまでレッスンが入っているから行くとしても8時半ごろになる事、火曜日にはどうしても昼間に会議が有るのでそのあと迎えに伺うことにしていただけないかと必死で頼み込みました。夜のaiの基礎科レッスンは休講にしてもらえば何とか迎えにはいけるだろうと考えました。
ショートステイの方も「わかりました。4月2日の奥様のご退院までということでお引き受けしていますし、ご事情もおありだと思いますので、火曜日夕方のお迎えをお願いします。」とおっしゃいます。
とりあえずお迎えは少し時間の余裕はできたものの、4月1日は音楽教室の入室試験とクラス分け、もっとも大切な一日です。朝8時ごろ家を出て、帰宅は何時になるかわかりません。いったいどうしたらよいのでしょう。
思い余って前から何かあったら手伝うからと言ってくれていた78歳になるいとこに電話をしました。
4月1日の事を話すと大丈夫、手伝いに行くわよ、安心してお仕事に行きなさいと言ってくれました。ひとまず4月1日は何とかなるかも知れない。その後の事は考える余裕さえ有りません。とにかく4月1日の段取りだけは何とかできました。
今日レッスンをしていると5時ごろ電話が有り、父が暴れてどうしようもないのですぐにも迎えに来てくれというのです。もう目の前が真っ暗です。
レッスンを終え、鉛を飲み込んだような気持ちでショートステイに向かいました。
ちょうど開いたエレベーターに父が入りこんでしまい、出るように促したスタッフ女性3人に殴りかかったり蹴飛ばしたりして、エレベーターを1時間も止めてしまったと言うのです。
スタッフの方々のお怪我の具合を尋ねると、あざが少しくらいで大丈夫ですとのこと、ひたすらお侘びをして、とにかく父を連れ帰りました。
途中父は家に帰れると上機嫌。腹が立つやら、悲しいやら、何とも言えない気持ちを必死で押さえながら帰宅しました。
ちょうど同じころ主人も帰宅し、事情を話すと主人が父に「お父様!」と声をかけると、いきなり父が豹変しました。「きさま」や「お前」と主人の事を呼び、主人に飛びかかっていくのです。慌てて私が両手をつかむと、今度は私の手にかみつこうとします。体力には自信のある私ですが、とても押さえきれず、横のベッドに押し倒して座らせましたが、それでも力がすごくて押さえきれず、とうとうベッドに押しつけて馬乗りになって押さえました。
「何やっているの?ゆんこがわからないの?」と叫びながらこちらも必死です。少しでも手の力を緩めると、飛びあがってくるのです。10分に満たないくらいだったと思うのですが、その間の長いこと、地獄のような時間でした。
それでも89歳の父ですから、力尽きたようでやっと静かになってくれました。
まるで追い込まれた手負いの猿のような父の姿に、本当にショックを受けました。
同時にこれをショートステイのスタッフのみなさん達にしていたのかと、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、本当に悲しく生きた心地のしない夜となりました。
来週から、一体どうしたらよいのでしょう?
八方塞がりってこういうことを言うんだろうな~
何とかしなくちゃと思うもののどうしたらよいのかわからず、気力もわかなくなりました。