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    石巻でのリトミックレッスン


    昨年の東日本大震災後、何か被災地に出来ることはないかと考え、私なりにチャリティーコンサートを開催しチケット売り上げを日赤に送り、また理事として日本ジャック=ダルクローズ協会でもチャリティーの提案等をさせていただきました。

    大学の生徒でいろいろとaiのお手伝いをしてくれるありすちゃんのご実家も石巻で被災され、智内威雄君や佐藤彦大君が協力してくれてありすちゃんへのチャリティーパーティーも開催しましたが、なかなか自分に何ができるのかがわからず、出来ればもっとお役に立ちたいと思っていても何をしたらよいのかがわからずにおりました。

    ダルクローズ協会の3月の理事会で、筑波在住の理事からお金だけでなくリトミックは人を元気にするから出張レッスン等でのボランティアをしてはどうかとの提案がありました。筑波は茨城で福島でも宮城でもないけれどかなりの被害があったようです。ご自分たちのつらいご経験からの提案でした。

    何か出来ることはないかと思っていた私にはとても衝撃的な一言でした。お金ではなくリトミックや音楽そのもので人のお役に立ちたい、私が望んでいることがその一言の中に有りました。ありすちゃんのお母さまは小学校の先生でしたから、もし私でお役に立てるならばボランティアでレッスンに伺いたいとのことをお伝えしたところ、喜んでくださりお母さまの小学校の2年生の授業3クラスを頂きリトミックの授業をさせていただける事となりました。

    7月19日(木)に石巻で初めての子供たちとのリトミックをしてきます。
    どんな子供たちでしょう?今からどんな子供達と出会えるかとわくわくしています。少しでも子供達が楽しいと思える時間になるようなリトミックのレッスンを展開してきたいと思います。少しでも心が元気になってくれたら嬉しい限りです。
    時間をかけて、細くても長く継続させること、あわてず少しずつボランティアも続けて行きたいと思います。また石巻のご報告をお楽しみに!



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    石巻ボランティアレッスン ご報告


    ご報告が大変遅くなりましたが、7月19日に石巻の滝川ありすちゃんのお母さまがお勤めの小学校でのリトミックレッスンのご報告を致します。
     
    当日は、日本ジャック=ダルクローズ協会協賛ということで、協会の平島会長から頂いた校長先生へのご挨拶状を持って、朝早く仙台に向かいました。仙台と石巻を結ぶ仙石線はまだ一部しか開通しておらず、ありすちゃんのお父様が仙台まで車で迎えに来て下さり、石巻まで行きました。

    校長先生とご挨拶を交わしたところ、ピアノを習っている子は少なく、学校の先生以外が弾く「本物のピアノ」は聴いたことが無い子が多いので、本物を聴いてびっくりするのではないかと思いますとのことでした。1クラス30人を超える、それもピアノなどを習っていない小学校のクラスでのレッスンは私も初めてでしたので、どうやって仲良くできるかと少し不安も感じつつ、音楽室に通されました。

    子供達は誰が現れたのかと興味津々、同時に一体何をするの?と興味と不安の入り混じった面持ちで、きちんと縦2列に並んで待っていてくれました。音楽室は通常の教室2部屋分ほどのスペースで、机や椅子はなく(片づけられていたのかもしれませんが)子供達が動くスペースは十分にありました。まず音楽に合わせて歩いて、止まった時に音の高低に反応したりしてから、「ピアノの前に集まりましょう」というと、すぐに私の周りに集まってきました。この段階でもう子供達の硬さは取れ、何をするのかなと興味有るたくさんの目線が私に向けられていました。

    音楽の教科書に有る「山のポルカ」での授業をリクエストしていただいておりましたので、「山のポルカ」を使ってリズムパターンの練習、リズム打ち、フレーズを感じる練習、拍子の聞き分け、階名唱やサイレントシンギング、オスティナートリズム等いろいろな角度から「山のポルカ」を楽しみました。
    3クラス中、1クラスは「山のポルカ」を歌ったことが有るということでしたが、他のクラスは知らない曲だとのことでした。それでも3クラスとも45分の授業時間の中でのいろいろな体験を通し、最後には本当に活き活きと表情豊かに楽しそうに歌ってくれました。

    見学にいらした校長先生からは、「授業の最初の段階で子供たちが先生に寄って行き、先生が子供達の心をつかんだのがわかりました。リトミックにはカウンセリング的な要素も有るのですね」とおっしゃっていただきました。
     
    後日、段取りを組んで下さった2年生の担任であるありすちゃんのお母さまからのお手紙と子供達のかわいい感想文が届きました。子供達の感想文は、読んでいて幸せになり、いつの間にか笑顔になっていました。子供達から宝物をいただきました。一部をご紹介します。

     
    『児童にとって、先生のお声やピアノ、それに児童に語りかける言葉や動作の一つ一つが新鮮で心の中に自然に入っていったようで、ものすごく感動をしていました。
    おかげさまで、1学期の締めくくりは、気分よく充実した時間で終えることができました。また、私ども担任も、先生の無駄のない動きや話し方から、言葉の引き出しの多さを感じ、さらに教材研究を深めるよう努力していこうと話し合いました。今後も精進して いきます。
    授業が終わったその日の宿題は日記の代わりに、「今日の感想」にしました。終業式にもかかわらず、全員が提出したのにびっくりしました。児童が書いたものをそのままコピーしたので、読みにくいかもしれませんが同封します。
    澤口先生始め日本ジャック=ダルクローズ協会の皆さんのご支援に本当に感謝しております。
     リトミックをもっと勉強していきたいと思っております。』
     
    ◆わたしは、リズムであそぶのがたのしくて、わくわくしました。すごくたのしくて、もっとやりたかったです。
    またリトミックやうたをやってほしいです。あと、リトミックでペアになるのもたのしかったです。うたやリトミックたのしかったです。

    ◆やまのポルカのときにひざでぽんとてで2かいぽちぽちいっしょにやったのがいちばんたのしかったです。
    ぴあののせんせいといっしょにやりたいです。それに、またうたとかリズムとかいろいろこんどもすごくすごくやりたいです。こんどはもっとうまくやりたいです。ピアノひくひとのこえがすごくすごくすごくうまかったです。またあいたいです。


    ◆わたしはまなちゃんとやりました。たのしかったです。うた声もきれいでした。ゆうめい人みたいでした。すごかったです。


    ◆ペアで、左手がペンギン(拍)で、右手のりずむとりがむずかしかったです。いっぱいれんしゅうして、うまくなりたいです。またリトミックをしたいと思います。リトミックをして、音楽のじぎょうが、もっと好になりました。オドリもうたもリズムも、じょうずにしたいです。
     

    始めて小学校のクラスでの授業をさせていただきましたが、ダルクローズレッスンはどんな人たちにも語りかけてくれるのだと実感致しました。間奏にグリッサンドを即興的に入れたときの子供達の驚きと喜びの目が忘れられません。
    音楽を通してコミニケーションをとりながら、心と身体を開放するダルクローズリトミックは、石巻の子供たちにもより元気な活き活きとした時間を与えてくれました。その時間を子供達と共有できたことは私にとっても大切な時間であり、ダルクローズに携わる者として大きな喜びでした。「元気になるお手伝い」がリトミックを通して出来たら、これに勝る喜びはありません。

    今後このような形で普段リトミックに接していない方達にもレッスンをし、広くダルクローズの体験をしていただくことができたら、ダルクローズの普及にもつながり、また少しながらも社会への貢献もできる「ダルクローズリトミックに携わる者として出来ること」だと感じました。

    子供達からもらったたくさんの笑顔と元気を力にして、私に出来ることを一つ一つ積み重ねて行きたいと思います。







     
     
     
     
     
     

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